行政書士として独立開業される方で、「相続・遺言」を専門分野とされる方は多くいらっしゃいます。

 

そして、相続・遺言を実務で扱う場合、「戸籍の知識」は必須と言ってよいでしょう。

 

戸籍の収集は当然のこと、戸籍の解読ができなければ、業務を効率的に遂行することは困難となります。

 

ここでは、戸籍について理解するために、何冊かお勧めの書籍をご紹介します。

 

 

 

相続・遺言実務で『戸籍の知識』が必要なわけ

 

冒頭でもお話ししましたように、相続・遺言を実務として扱われる行政書士の先生は多いです。

 

そして、これらを実務として扱う場合、確実に戸籍の知識(戸籍の取り寄せ、解読)が問われます。

 

それでは、なぜ相続・遺言業務に戸籍の知識が必要なのでしょうか。

 

 

まず、相続は人が亡くなると開始しますよね。

 

相続が開始すると、被相続人(亡くなった人)の相続人を特定する必要があります。

 

相続人が全員特定できていない状態で、相続手続きを進めることはできません。

 

この、「相続人を特定」するために、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本を含む)を収集する必要があるのです。

 

この戸籍の取り寄せの作業はかなり大変です。専門家でもなかなか苦労するところです。

 

 

なぜ大変なのかといいますと、亡くなった時点での戸籍から、出生時の戸籍まで一つずつ戸籍を過去にさかのぼって集めなければならないからです。

 

その際、戸籍に記載された内容を解読する必要があるのです。

 

 

現在は全部(個人)事項証明書といって、戸籍がコンピュータ化(平成6年以降)されていますから、戸籍の解読は容易です。

容易とはいえ、それなりの知識がなければなりませんが・・・

 

しかし、戸籍は過去に何度も様式が変わって現在に至るわけです。

 

昔の戸籍は、当然今の戸籍とはいろいろと異なる部分がありますし、文字も読みにくかったりするわけです。

 

 

続いて、遺言書作成業務で戸籍の知識が必要なわけについて、簡単にお話ししましょう。

 

遺言書を作成する場合には、遺言者が相続人の誰にどれだけ財産を相続させるかを判断することから始まります。

 

ということは、やはり遺言者が亡くなった場合に、「誰が相続人となるのか」が事前にわかっていなければなりません。

 

上でご説明しましたとおり、相続人を特定するためには、戸籍の収集・解読をする能力が必要となります。

 

おススメの戸籍実務に役立つ書籍

 

普段戸籍に関わる機会って、ほとんどありませんよね。

 

なので私は、「依頼者の方々の戸籍を解読できるわけがない!」と痛感し、必死になって戸籍の学習を行いました。

全部で10冊くらいは読みあさりました。

 

そこでとても参考になった戸籍実務の書籍をいくつかご紹介させていただきます。

 

書籍「相続実務に役立つ戸籍の読み方・調べ方

「なんだか難しそう・・・」という戸籍に対するマイナスイメージをぶち壊してくれたのが、以下の本でした。

相続実務に役立つ“戸籍

相続実務に役立つ“戸籍

小林直人(税理士), 伊藤 崇(弁護士), 尾久陽子(行政書士), 渡邊竜行(弁護士)
2,592円(12/13 23:37時点)
発売日: 2018/04/28
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上記の本は、弁護士や税理士、行政書士の先生方が著者となっています。

 

「戸籍とは何ぞや?」というところから、「相続で戸籍を集める理由」、「戸籍の取り寄せ方」「戸籍の解読の仕方」など、新任の行政書士が戸籍実務を行う上で、大変参考になる内容でした。

 

現在の全部事項証明書だけでなく、改製原戸籍(戸籍法改正前の古い戸籍)の様式までも紹介されており、戸籍を過去にさかのぼる上でとても役に立つと思います。

 

書籍「ムダ費用10万円カット 相続するときの戸籍の取り方

次にお勧めしたいのが、以下の本です。

 

役所での戸籍や住民票の取り方まで丁寧に書かれていたのが魅力の一つです。

[ムダ費用10万円カット]相続するときの戸籍の取り方 ~不動産相続手続き簡素化対応版~

[ムダ費用10万円カット]相続するときの戸籍の取り方 ~不動産相続手続き簡素化対応版~

橘春来
2,160円(12/13 23:37時点)
発売日: 2016/09/02
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現役の国税調査官であり、戸籍実務に精通した方が著者です。

 

説明が大変わかりやすく、子どもにでも理解できるような、丁寧な解説が印象的でした。

 

一般的な実務書であれば、当然のこととして流してしまうような些細な内容でも、しっかり立ち止まって解説をしてくれています。

 

戸籍だけでなく、除籍や改製原戸籍についても詳しく説明があり、戸籍謄本と戸籍抄本の違いなどを丁寧に解説しています。

 

一番ためになったのは、「戸籍のさかのぼり方」を一つずつわかりやすく解説されていたことです。

 

行政書士の戸籍実務に直結する内容であったことから、是非おすすめしたい一冊です。

 

書籍「初任者のための戸籍実務の手引き

戸籍の届出まで含めて色々学びたい!という方にお勧めなのが、以下の一冊です。

初任者のための戸籍実務の手引き

初任者のための戸籍実務の手引き

2,700円(12/13 23:37時点)
発売日: 2012/11/01
Amazonの情報を掲載しています

戸籍を読み解いていくと、「出生」「婚姻」「養子縁組」「認知」「転籍」など、様々な戸籍の届出を目にすることになります。

 

これらが原因となり、新しい戸籍が編製(作成)されたり、それまでの戸籍が除籍となったりと、戸籍に影響が出るので、私たち行政書士はこれらの事項に精通している必要があります。

 

この本は、「婚姻」「養子縁組」といった様々な届出事項を例として取り上げ、それらの申請における届出書の書き方(見方)から、戸籍の表記のされ方(これが一番参考になる)などを詳細に説明されています。

 

相続・遺言業務で様々な方の戸籍を扱うであろう行政書士としては、上記の知識は必須となります。

 

例えばですが、養子縁組って何?養子縁組があると、戸籍にどう表記されるの?なんて状態で、戸籍実務が行えるわけがありませんよね。

 

戸籍実務を行う上で、いざとなったときに辞書として参考にするために、是非とも一冊は持っていたいところです。

 

まとめ

行政書士として、相続・遺言業務を扱われる新任の先生方に、是非ともおすすめしたい戸籍実務の書籍をご紹介しました。

この記事で、戸籍実務の知識が何故必要なのか、そしてそれが如何に大切かがおわかりいただけたかと思います。

相続の手続きでも、様々な場所で戸籍の提出を求められます。早い段階で戸籍の扱いに慣れておくべきでしょう。