母が認知症の子『80歳になる母が認知症で、いつも辛い毎日を送っています。
とくに、母は毎日お金を「盗まれた!」と叫んでおり、本当に辛いです…
同じような体験をされた方、どうしていますか?』

こんなお悩みに、僕の体験談からお答えします。

記事のテーマ
  • 認知症の祖母とお金トラブル「盗まれた」「隠している」「数えている」(体験談より)
  • お金トラブルが起きた際の対応について
記事の信頼性

この記事を書いている僕は、現在(2019年4月)は認知症の祖母と同居して8年目になります。祖母の介護は家族と一緒にこれまで一生懸命に行ってきました。

認知症の祖母に少しでも穏やかでいてほしくて、様々な試行錯誤を試した結果、精神科や脳外科の先生に褒められるくらい祖母が穏やかになりました。

この記事の内容が少しでも皆さまのお役に立てると考えております。

【体験談】認知症の症状とお金?盗まれた、隠す、数えるの3大要素

僕が認知症の祖母を8年間介護してきた中で、お金に関するトラブルは大きくわけて以下の3つに集約されると思います。

  • いつもお金を数えている
  • お金を盗まれたと騒ぐ
  • お金を箪笥や仏壇に必死に隠している

これら3つの言動が、いったいどのようなトラブルを巻き起こすのか、そしてどのように対処すればよいのか、僕の体験談からお話ししていきます。

認知症の症状とお金①「いつもお金を数えている」

僕の祖母は認知症と診断されてからほどなく我が家で暮らしていますが、それから8年間、ほぼ毎日お金を数えています。

最近は同居したばかりの頃より多少は落ち着いてきたのですが、それでもお金の計算だけは毎日暇さえあれば行っています。

僕からすれば、いったい何をそんなに数える必要があるのだろう…と最初の頃は思っていました。

ですが、僕にとっては毎日でも、祖母にとってはそれが初めてなのです。認知症とはそういう病気です。

どんなトラブルがある?

お金の計算の何が厄介なのかといいますと、祖母はお金を数えている間、かなり機嫌が悪くなるのです。

1日の中でほとんどの時間をお金の計算に費やしているわけですが、その間にも食事や風呂、病院など様々なイベントがあるので、その都度呼びにいかなければなりません。

「ばあば、夕飯の時間だよ。こっち来てくれる?」

と声をかけると、

「はぁ?(ブチ切れ)今忙しいの!」とか、

「何だね!(ブチ切れ)」

といった具体に、かなり機嫌の悪い返事が返ってきます。正直かなり体力を持っていかれます。精神的に。

かといって食事をしなければ薬を飲ませることもできないので、収まるまで放っておくという選択肢はありません。

なので、色々と試行錯誤を繰り返すわけです。どうすればすぐ食事しに来てくれるのか…

解決策

こういう状態になったときは、とにかく笑顔で祖母に優しく声をかけ、いい気持にさせるように努力しています。

たとえば、次のような感じで声をかけています。

「ばあば!皆がばあばと一緒にご飯食べたいって言って待ってるよ!とっても美味しいおかずを作ってくれたから、一緒に食べよ!」

もちろん毎回これで解決できるという保証はありませんが、だいたいなんとかなります。

これでも解決しないときは、祖母がおそらく一番気を遣うであろう世帯主の父に声をかけてもらっています。

「お母さん、そろそろ一緒にご飯食べますか?」

と父に声をかけてもらいます。

やっぱり昔から義理の母、義理の息子というちょっと遠慮の入った関係が残っているせいか、祖母は認知症になってからも父にはあまり暴言を吐きません。。

認知症の症状とお金②「お金を盗まれたと騒ぐ」

これは時々あるのですが、祖母が「お金を盗まれた!」と騒ぐことがあります。

盗んだ犯人が誰なのか?ということですが、祖母は決まって家族の名前を口にします。

とくに多いのが、僕の母の名前です。

信じられませんよね?一番祖母の介護を献身的に一生懸命に行ってきた母を泥棒呼ばわりするなんて…

僕も、最初に祖母からこのように言われたとき、はっきりいって胸を引き裂かれる思いでした。怒りと悲しみでよくわからない気持ちになりました。

どうしてこうなってしまったのだろう、と。

どんなトラブルがある?

さて、このお金盗まれた事件ですが、いったい何がトラブルかお話しします。と言ってもトラブルでしかないのですが。

まず、1日の時間に関係なく騒ぎ出します。朝、昼、夜、深夜、まったく関係ありません。祖母に時間の間隔はありませんので。。

一番怖いのが、深夜に家族が寝静まった頃に騒がれることです。

「〇〇にお金を盗まれた!親不孝者め!××んでしまえ!」

なんて暴言が深夜の家中に響きます。

もう辛いのと眠いのと、近所迷惑なのとで困るという次元の話ではありません。

解決策

こうなったときって、もう祖母に何を言っても伝わりません。

僕たちの言葉なんか通じないし、「〇〇は盗んでないよ!ずっと一緒にいたよ!」と伝えても、ずっと「〇〇が盗んだ!」の繰り返しで、話にならないのです。

繰り返しますが、これが認知症なのです。個人差はあるかと思いますが、だいたいこんな感じでしょう。むしろ祖母は大人しい部類かもしれません。

ということで解決策ですが、とにかく祖母を安心させて、盗まれたという妄想から忘れさせてあげることです。

温かい飲み物を出してあげ、話に耳を貸してあげ、全面的に祖母を肯定します。

認知症の方に対する接し方の大原則ですが、絶対に「否定」はしてはいけません。収拾がつかなくなります

そして、次のように言うと結構効果的でした。

「〇〇(祖母が犯人にした家族の名前)はね、ばあばのことが大好きだっていつも言ってるよ!ばあばはこんなに想われて、幸せだね!」

こんなふうに言い聞かせてあげます。

すると面白いことに、次のように祖母が言ったのです。

「あの子は昔から私の宝物だもの。当然よ。本当にいい子なの!」

と今度は自慢し始めるのです。ほんの10分前まで泥棒扱いしていたのに…

この繰り返し

このようになんとか機嫌を直してあげても、しばらくするとまた復活することがあります。

つまり、また「〇〇が盗んだ!」と言い出すことがあるのです。

そんなときは、ここまでの解決方法を繰り返します。2回目、3回目となると、だんだんこちらの体力と精神力が削られてきます。

ですが、祖母を安心させて静まってもらうためには、このようにする他ありませんでした。

認知症の症状とお金③「お金を箪笥や仏壇に必死に隠している」

お金を数えた後は決まって、財布を箪笥や仏壇の中に隠しています。

これもほとんどの認知症の方がやることと知りました。何ででしょうね。

やっぱり、誰かに盗まれるという思いが常にあるのでしょうね。

どんなトラブルがある?

隠すのはいいのですが、認知症なので当然どこに隠したかを一瞬で忘れます。

すると、「財布がなくなった!」「泥棒が入った!」と騒ぐのです。

見つかるまで箪笥の引き出しや、仏壇のドアをバンバン開け閉めするので、この音がうるさすぎて寝れません。(夜の場合)

解決策

一緒に暮らして8年にもなると、だんだん祖母がどこに財布を隠すのかがわかるようになってきます。傾向がつかめてくるといった感じでしょうか。

だいたい箪笥の上から何番目の引き出しの左側、とかいった具合です。

早い頃は、一緒に探してあげたこともありました。

「ほら、ここにあったよ!見つかってよかったね!」と言うと、

「当たり前じゃない。そこに閉まったのだから!」と怒り出します。

これも認知症の症状ですが、祖母は決して自分の非を認めません。まあ当然でしょう。見つかった瞬間、”探していた事実”が祖母の頭の中から吹っ飛ぶのですから。

後は、祖母にとりあえず中断してもらい、食事をとっている最中に母が一生懸命に探し出して、祖母の部屋のテーブルの上に置いておく、という方法もよくやります。

【認知症の症状とお金】新品の財布が1か月でボロボロになる

ここまでご説明してきたとおり、祖母は毎日のようにお金を数えたり、財布を隠したりしているわけです。

すると、財布のチャックや皮の部分がどんどん傷んでいきます。

だいたい祖母に新品の財布をプレゼントしてから1か月くらいで、まるで3年くらい使ったかのような財布になってしまいます。

財布だけじゃありません。お札もです。

1日に財布から何十回お札の出し入れをしているのか知りませんが、お札もかなりボロボロになっています。

昔の祖母は、それなりに高価な財布を所持していましたが、今ではさすがに持たせるわけにいかないので、安価な財布をプレゼントするようにしています。それでも2~3千円はしますが。

トイレに起因する問題行動まとめ

認知症の家族とトイレに起因する問題行動は「【認知症の症状】トイレにまつわる問題行動まとめ。水道料金が高額に・・・」をどうぞ。

認知症の方と上手にコミュニケーションする方法

認知症という病を理解して、上図にコミュニケーションする10の方法は「【体験談】認知症の高齢者と上手にコミュニケーションする10の方法」をどうぞ。

まとめ

認知症の祖母が起こすお金トラブルについて、解決策をご紹介しました。

認知症の方って、本当にお金を数えたり、隠したり、盗まれたと騒いだりするものです。あとあと精神的にショックを起こされることのないよう、今のうちから知っておいた方がよいです。