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独学合格を目指す人『行政書士試験に合格したいけど、独学で挑戦して大丈夫かなぁ。。すごく不安なので、独学での勉強法を教えてください。』 |
こんな疑問にお答えします。
- 行政書士試験に独学で合格できるか
- 独学で合格するための勉強法9つを紹介
- 独学対策のデメリット
- 予備校・通信講座ってどうなの?
目次
結論:行政書士試験は独学で合格できます【成績表を公開】
行政書士試験は高難度の法律系国家資格です。司法書士試験よりは易しいですが、それでも難しいことにはかわりません。そのため、独学で勉強して合格できるのか?という不安を抱える方が非常に多いです。
結論から言います。行政書士試験は独学合格できます。実際僕が独学で合格しています。
参考までに、僕が独学合格した年の成績表を以下に示します。

こういった独学合格を進めるブログは数多くありますが、そもそも点数の記載がなかったり、記載があっても証拠となる記録がなかったりするので、信頼性を担保するためにあえて掲載しました。
後ほど解説しますが、300点満点で、180点合格です。かなり余裕をもって合格できたかなと思います。
上の成績表をお見せして何が言いたいのかというと、この記事でご紹介する方法でしっかり勉強すれば、このくらいの点数は獲得できる、ということです。
とはいえ、独学合格なので簡単ではありません。この記事でご紹介する正しい勉強法を本試験まで実践してください。
行政書士試験の独学合格に必要な学習時間「1000時間」必要って本当?
資格学校とかのサイトを見ると、行政書士試験の独学対策における学習時間は1000時間必要と書かれていることがあります。実際のところ、これって本当なの?と気になる方が多いかと。
僕が思うに、これは勉強方法によります。
独学でも正しい学習計画を立て、適切な勉強法をとれば、ここまでかからないかと。実際僕の総学習時間は700時間程度でした。これでもゆっくり時間をとった方です。
また、読解力や理解力のある人だったら、参考書の内容がすんなり頭に入るでしょうし、記憶力の良い人なら、反復学習せずとも高得点が出せるでしょう。なので、一概に1000時間なんて当然いえません。

ちなみに僕は本を読まないので、読解力もないし、記憶力も人並みです(笑)それでも合格できました。
行政書士試験の合格率と試験科目、合格基準点
行政書士試験の合格率と試験科目、配点についてご紹介しておきます。
行政書士試験の合格率
ここ数年間の行政書士試験の合格率を以下に示します。行政書士試験研究センターから引用しています。
年度(平成) | 受験者数 | 合格率 |
30年度 | 39,105名 | 12.7% |
29年度 | 40,449名 | 15.7% |
28年度 | 41,053名 | 10.0% |
27年度 | 44,366名 | 13.1% |
26年度 | 48,869名 | 8.3% |
ここ数年は合格率が10%前後で推移していますが、それより前のデータを試験研究センターHPで見ると、さらに低いことがわかります。
試験科目と合格基準点
試験科目について以下に示します。行政書士試験研究センターから引用しています。
「行政書士の業務に関し必要な法令等」(出題数46題) | 憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。)、民法、商法及び基礎法学の中からそれぞれ出題し、法令については、試験を実施する日の属する年度の4月1日現在施行されている法令に関して出題します。 |
「行政書士の業務に関連する一般知識等」(出題数14題) | 政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解 |
以下が配点、合格基準点となります。
- 5肢択一式 1問につき4点
- 多肢選択式 1問につき8点
- 記述式 1問につき20点
以下が合格基準点です。
次の要件のいずれも満たした者を合格とする。
- 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、122点以上である者
- 行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、24点以上である者
- 試験全体の得点が、180点以上である者
(出典:行政書士試験研究センター)
【厳守】行政書士試験に独学合格するための勉強法9つ
行政書士試験に独学で挑まれる方に向けて、絶対に守ってほしいことと、勉強法を解説します。以下に挙げる事項がほぼ達成できれば、合格は安定するかと。
- 毎日決まった学習時間を確保する
- 本試験までの学習スケジュールを具体的に立てる【見える化する】
- 本当にわかりやすい参考書・問題集と出会う
- 参考書・過去問は反復学習をする
- 法令等科目とくに「行政法」「民法」を重点的にやる
- 一般知識は「個人情報保護」「情報通信」「文章理解」を得点源に!
- 【重要】本試験を意識した模試(模擬試験)に挑戦する
- 自分の不得意分野(弱点)を分析する
- 独学者はモチベーション維持を工夫する
上記について、深掘りして解説していきます。
毎日決まった学習時間を確保する
独学対策する上で最重要なのが、本試験までに毎日決まった学習時間を確保することです。どういうことかと言いますと、例えば次のように学習時間を設定します。
- 平日は1日2時間勉強する
- 休日は1日5時間勉強する
- 電車での通勤時間30分を勉強時間にあてる
という感じです。
よくやりがちなダメなパターンとしては、毎日勉強せず、空いた日だけに10時間とかまとめて勉強することです。ダメな理由は、最後に学習してから数日空けてしまうと、記憶から抜けていってしまうからです。
時間がないときは、1日30分でも良いので、必ず毎日勉強時間を確保できるようにしましょう。
本試験までの学習スケジュールを具体的に立てる【見える化する】
本試験は11月にありますが、現在から本試験までの学習スケジュールを日単位で計画していきます。例えば、次のように計画します。
行政法の学習:11日~20日
一般知識:21日~25日
こんな感じで、1日くらいかけてじっくりスケジュールを組み立てます。
スケジュール通りに進まないことも当然あります。そういうときは、その都度スケジュールに修正を加えます。
スケジュール化することで、全学習期間の中で今どのあたりにいるのか把握できます。さらに、試験範囲の取りこぼしがなくなるので、綿密な学習が可能となります。
僕が実際に作成したスケジュールを以下に示します。
このとおりExcelで管理していました。表の左側にやるべき作業を、右側に日付と予定、実績を入れています。予定が白丸、実績が黒丸です。
上記は試験直前のスケジュールですが、これを半年前くらいから始めました。

独学なら面倒と言わず、学習スケジュールを必ず立ててください。そして、上でご紹介したように「見える化」してください。頭の中だけのスケジュールはNGです。これをすることで、合格に近づきます。
本当にわかりやすい参考書・問題集と出会う
独学するなら、使用する参考書、問題集に何を選ぶかで大きく差が出ます。行政書士試験の参考書、問題集は数多く存在するので、正直どれを選んだらいいのかわかりません。
中には全然わからないもの、とってもわかりやすいものとあります。僕は色々と購入したので、おすすめがわかりますが、初めての方は判断が難しいかと。
基本的には本屋でご自分で手に取ってみて、やる気が続きそうなものを選ぶのが良いです。
とはいえ、初学者にその判断はなかなかハードルが高いはず。
ということで、僕がおすすめする行政書士試験の参考書、問題集をまとめています。全知識を網羅しているので、長いですがぜひお読みください。
【2019】行政書士試験に独学対策!おすすめ参考書・問題集まとめ
参考書・過去問は反復学習をする
参考書と過去問は1回通り学習したらそれで終わり、、ではなく、できれば何周もやってください。とくに過去問は最低でも3周くらいやれると心強いです。参考書と過去問の使い分けですが、次のようにします。
- 参考書:知識のインプットに使用する(1~2周でOK)
- 過去問:知識のアウトプットに使用する(最低3周)
このとおり、参考書と過去問は使い分けが大切です。
本試験まで参考書ばかり勉強していても、おそらく合格は難しいです。必ず知識のアプトプットのため、過去問を学習に取り入れてください。
当然ですが、本試験はアウトプットの場となります。インプットとアウトプットは頭の使い方が違うので、学習期間ではアウトプットを重点的に行う必要があります。ここは間違わないでください。
法令等科目とくに「行政法」「民法」を重点的にやる
行政書士試験では法令等科目の配点が大きいです。その中でも、行政法と民法の2科目の配点がほとんどを占めます。
なので、この2科目をマスターできれば、あとは一般知識で合格基準点さえ満たせば合格できます。
本試験まで学習時間をたくさん確保できれば、商法(会社法)に力を入れるのもアリですが、時間がない場合には商法(会社法)を捨てる覚悟も必要かと。僕は商法(会社法)は参考書を1周しただけで、ほぼ捨てていました。
一般知識は「個人情報保護」「情報通信」「文章理解」を得点源に!
一般知識は行政書士試験における足切りです。つまり、一般知識で基準点を下回ると、その時点でアウトです。法令等科目がどんなに高得点でもです。
なので、一般知識といってあなどれません。しっかりとした対策が必要です。
一般知識を対策するとしたら、以下の3分野に的を絞ってください。
- 個人情報保護
- 情報通信
- 文章理解
なぜこの3分野かと言うと、出る問題の予想(対策)が可能であること、予想問題、過去問題をしっかりやることで、得点源になることです。
個人情報保護に関しては、個人情報保護法の条文を頭に入れておけば対策可能です。
情報通信も最近話題になっているIT用語などを知っておけば対策できます。
文章理解については、学校での国語の試験と変わりないので、問題集である程度対策すればOKです。

政治・経済・社会については範囲が膨大すぎて、対策のしようがありません。ここは捨ててよいかと。
個人情報保護法の条文や仕組みを丁寧に解説している書籍などもあります。学習に困った方は参考にどうぞ。
なお、一般知識についてより詳しい勉強方法、解説は「行政書士試験の【一般知識】は足切り!対策・勉強法、おすすめ過去問を紹介!」をご覧ください。
【重要】本試験を意識した模試(模擬試験)に挑戦する
本試験の数か月前になったら、必ず模試(模擬試験)を受験してください。僕は全部で3回ほど受験しました。模試を受けることのメリットを以下に挙げます。
- 本試験の雰囲気を体感できる
- 本試験同様に60問を3時間で解くことで時間配分が身に付く
- 本試験に出そうな分野(ヤマあて)がわかる
このような感じです。
本試験だと周りの雰囲気に圧倒され、緊張のあまり頭が働かないということがよくあります。あらかじめ本試験と同じ雰囲気を味わっておくのがベストです。
また、一番大切なのが、本試験の時間配分を意識することです。つまり、全60問について、1問何分で解くのか考えることです。
60問の中には5肢択一式、多肢選択式、記述式など様々です。一般知識の文章理解では、長文を読んでからの回答もあります。そのため、各問題の形式ごとに時間配分を考えておかないと、ほぼ時間が足りなくなります。
3つ目は、資格学校で模試を受験した場合です。LECが有名ですね。模試を受けると、Web解説やDVD解説があったりとかなり有益です。場合によってはヤマあてが聞けることもあるので、受験する価値は十分にあるかと。
模擬試験対策については「【2019】行政書士試験の対策!おすすめ模擬試験(模試)【学校+市販】」をお読みください。
自分の不得意分野(弱点)を分析する
行政書士試験の範囲を一通り学習してみて、上でご紹介した模試を受けます。その上で、自分の苦手分野が見えてきます。
ここから先の学習目標としては、当然苦手分野の克服です。解答できた分野を熱心に頑張っても仕方ないので、解けなかった分野に力を入れていきます。
模試の解説を完璧に理解するのは当然のこと、参考書からインプット学習を行い、その後は問題集・過去問でアウトプット学習を徹底しましょう。周回することで、苦手分野でも問題を読んだだけで解答がわかるようになると完璧かと。
独学者はモチベーション維持を工夫する
直接試験とは関係しませんが、やっぱり独学の場合にはモチベーションの維持が大変です。僕も何度か諦めてしまいたくなったことがありました。
ですがその度に自分なりにモチベーションを高め、維持していました。やっていたことは次の通りです。
- 行政書士になってやりたい業務を想像する
- やる気の出る音楽や動画を見て活力をもらう
- やる気を出すため図書館で勉強する
- 定期的に模試を受けて緊張感を保つ
こんな感じです。
とくに本試験間近の頃は、やる気を保つためにほぼ毎日図書館にこもって勉強していました。同じように試験対策をしている方が何人かいるので、お互い刺激になります。
どうしてもモチベーションが続かない、、どうやって高めていけば良いのかわからない、、という方は、以下の記事を参考にしてみてください。
【人と差がつく!】モチベーションをアップ&維持する【20の習慣】
行政書士試験を独学対策するデメリット4つ
行政書士試験を独学対策することのデメリットを4つご紹介します。
具体的には以下のとおりかと。
- 疑問点を質問できない
- 学習スケジュールを自分で立てる必要あり
- モチベーション維持が困難
- 良質な参考書・問題集を自力で探す必要あり
予備校や通信講座なら、疑問点をすぐに講師に質問できます。なので、学習効率がかなり上がります。ですが独学の場合、疑問点を質問できないので、ここが一番苦労した点です。
僕の場合は、Yahooの知恵袋で質問したり、いくつもの書籍を読み漁って自力で解決していました。

疑問点の解決は最終的には自分の判断を信じてください。受験仲間や知恵袋から聞いた答えが正しいとは限らないからです。あくまで参考程度にすると良いかと。
他のデメリットについては、ここまでご説明してきたとおりの対策を実施してください。
予備校、通信講座ってどうなの?
最後に行政書士試験を突破する上で、予備校、通信講座ってどうなの?という点を解説していこうと思います。
まず、次のような方は予備校、通信講座を利用してみるのもアリかと。
- 短期間(最短ルート)で行政書士試験に合格したい
- 学習スケジュールを講師(プロ)に立ててもらいたい
- 本試験までモチベーションが続かない
- 金銭的余裕がある
予備校、通信講座の良い点は、講義のプロが最短ルートで合格できるよう導いてくれる点かと。当然独学だとこの点は劣ります。
あと、講師が自分専用のスケジュールを立ててくれるので、安心して勉強を続けられます。本試験までモチベーションをキープできるのも良い点です。
とはいえ、やっぱり独学より費用はかかります。数万~十万くらいかかるでしょう。
予備校、通信講座の費用は安いです
行政書士試験の予備校、通信講座の費用を見ると、だいたい数万~十万くらいいきますが(予備校の場合はもっと高いこともある)、これって高いのでしょうか。
僕が思うに、数万~十万で行政書士になれるのなら、正直安いと思います。
理由は以下の点です。
- 行政書士は生涯働ける(稼げる)国家資格である
- 実務案件を数本こなせば、受講料などすぐ回収できる
- 自宅開業できるので、開業コストが安い
- 自分の時間が作れるので、副業も始めやすい
こんな感じです。
どうしても予備校や通信講座って額面だけ見ると高いと感じやすいですが、それで一生涯働ける(稼げる)ことを思うと、かなり安いのではと思います。
また、他の事業と異なり、行政書士は自宅で開業できてしまうので、開業にかかるコストはかなり安いです。

1案件5万円とかの依頼を数本こなせば、すぐ回収できてしまうので、そこまで深く考える必要もないかと。
まとめ
行政書士試験は独学合格できるということ、独学合格するための勉強法、予備校、通信講座について解説してきました。企業勤務が安定しなくなり、個人の価値が重要となっていく未来において、行政書士のような身軽かつ生涯通用する資格はかなり魅力的と言えます。