今回は認知症の症状と帰宅願望について、我が家での経験談からお話します。

認知症の祖母と9年間同居しています

こんにちは。たかじんです。

現在我が家では、認知症の祖母と9年間同居しています。その間、祖母にも認知症特有の症状が数多く出ました。先生に相談したり、家族で様々な対策、工夫をしてきました。

この記事はそんな経験談から解説していくものです。

この記事でわかること
  • 認知症が進むと出る「帰宅願望」について
  • 帰宅願望が出た場合の対策3つ
  • 絶対やってはいけないNG行為

認知症になると「帰宅願望」が強くなります【経験談】

我が家では、認知症の祖母と9年間ほど同居しています。同居し始めた頃は、祖母の帰宅願望が激しく、いろいろと困ることも多々ありました。

帰宅願望とは、文字通り自分の家に帰りたい、という願望です。

祖母は同居するまでアパートで独り暮らしをしていました。同居を始める1年ほど前から物忘れなどの症状がひどくなり、病院に連れて行ったところ認知症と診断されました。

認知症の祖母を一人にさせておくことなどできないと母は考え、我が家で受け入れたわけです。

それからしばらくは、次のような症状が祖母に見られました。

  • 日中はどこか落ち着かず、そわそわしている
  • 居心地が悪そうに一人考え事をしている
  • 夜になると帰宅願望が出て帰りたいと言う
  • トイレや部屋の場所がわからなくなる

おそらく帰宅願望の始まりでしょう。上記の症状について、掘り下げてお話していきます。

日中はどこか落ち着かず、そわそわしている

同居を開始した頃は、祖母はいつも自室でそわそわしていました。やっぱり住み慣れたアパートを離れ、新しい環境での生活にはなかなか馴染めなかったのでしょう。

さらに祖母は認知症なので、ここ最近のことが覚えられず、何故自分が娘の家に居るのか、理解ができないようなそぶりを見せたこともあります。

居心地が悪そうに一人考え事をしている

我が家の和室を祖母の部屋にしたわけですが、祖母は基本的に和室で一人正座し、何か考え事をしていることが多かったです。

その頃の祖母は、よく「憂鬱だ」とつぶやいていました。認知症の方の症状が理解できないので、何とも言えませんが、おそらく物忘れがひどくなり、記憶が抜け落ちていく気持ち悪さを感じていたのではないかと思います。

夜になると帰宅願望が出て帰りたいと言う

それでも日中の明るい間はまだ落ち着いていて、家族とも会話ができているのですが、夜になって暗くなると、どうも発作のように認知症の症状が出てしまいました。

本当に困ったのは、「そろそろ家に帰らないと…」と帰る準備をし始めたり、玄関から外へ出ようとしてしまう症状です。

祖母は認知症と診断された記憶がなく、我が家に同居していることも忘れているので、普通に遊びにきていると思ってしまうようです。

もう数か月も一緒に暮らしているのにです。

また、祖母は同居する数年前まで自身の病気の息子(僕の叔父)と一緒に暮らしてました。叔父はその後亡くなり、その後祖母は認知症と診断を受けています。

帰宅願望の原因の一つは、「家で息子が待っている。夕飯を作らないと!」ということもありました。

その都度、叔父はもう亡くなっていること、アパートももう明け渡したことを説明しました。

トイレや部屋の場所がわからなくなる

同居を始めた頃は、何度教えてもトイレの場所を覚えてくれませんでした。なので、トイレのドアに大きな紙を貼り、お手洗い(トイレ)と書いたこともありました。

もっと困ったのは、夜になってトイレに入った後、自分の部屋がわからない、、と深刻な顔をしてきたことがありました。

認知症で帰宅願望が出た家族への対策3つ

家族が認知症になって一緒に同居を始める方は多いと思います。するとほぼ必ず出る症状が帰宅願望です。当然ですよね。誰だって自分の家がいいですから。

そして、この帰宅願望にどう対処するべきなのかと言うと、次のとおりかと。

  • その都度何度もゆっくり説明してあげる
  • 外へ出ていかないように見張る、ドアを施錠する
  • 認知症の家族が安心できる環境を整える

だいたいこんな感じかと。もう少し掘り下げて解説します。

その都度何度もゆっくり説明してあげる

認知症でも実は何度も丁寧に説明してあげることで、理解してくれる場合もあります。

実際我が家でも祖母に守ってほしいことを何度も説明した結果、覚えてくれたケースがあります。くわしくは「検証:認知症でも繰り返し訓練すれば覚えられるか【訓練方法も解説】」で説明しています。

なので、帰宅願望が出てこちらの言う事を聞いてくれない場合でも、怒ったり声を荒げたりせず、ゆっくりとした口調で優しく説明してあげると良いです。

なお、認知症の方と上手にコミュニケーションをとる10の方法を経験談から説明しています。⇒【体験談】認知症の高齢者と上手にコミュニケーションする10の方法

外へ出ていかないように見張る、ドアを施錠する

帰宅願望が顕著に出てしまうと、人によっては玄関から出ていこうとする場合も考えられます。僕の祖母はたった一回だけ玄関から出ようとしたことがありました。

このような場合、家族が寝静まった深夜に外へ出られてしまうと対応できないので、ドアを何重にも施錠するなどして工夫してください。

日中など家族が起きている時間帯は誰かが見張っているなどして対応しましょう。

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認知症の方でも新しい環境に慣れてくれば、このような症状も少なくなると思います。それまでは頑張ってみてください。

認知症の家族が安心できる環境を整える

認知症の方が健康だった頃に暮らしていた家と似た環境を作ってあげるなど、認知症の方が安心できる環境づくりを心掛けると良いです。

実際我が家では、祖母のために和室を使い、祖母が以前住んでいたアパートに置いていた箪笥や仏壇などの家具を配置しました。まさに祖母の以前の部屋と似た環境を作ってあげたわけです。

家具から何からすべて一新してしまうと、認知症の方はかなり困惑してしまいます。使い慣れたもの、見慣れた景色を作ってあげると良いです。

注意:認知症の家族に帰宅願望が出た場合、やってはいけないNG行為

次は認知症の家族に帰宅願望が出たときに絶対にやってはいけないNGな行為をご紹介します。

  • 大きな声で説明する
  • 声を荒げたり、叱ったりする
  • 無視する

上記に挙げるような行為をしてしまうと、認知症の方は萎縮してしまい、余計に症状が悪化する危険があります。

認知症の症状が悪化するとパニックになり、さらに制御不能になる結果、その家族も安心した生活を送れなくなります。つまり結局は自分たちに返ってくるのです。

なので、できるだけ小さな声で、ゆっくりと優しく説明してあげることが重要です。

また無視するのも良くありません。無視している間に認知症の家族が何をするかわかりません。注意の目は光らせておく必要があるのです。

提案:認知症の症状で帰宅願望が強くなる前に同居かホーム入居を

認知症の祖母を9年ほど見ていて思ったのは、認知症が酷くなる前に同居するか、ホームに入居させるか考えた方が良さそうだということです。

認知症が進み、最近のことを覚えられなくなった頃に環境を移してしまうと、帰宅願望が顕著に出てしまうかと思います。

なので、認知症の症状が比較的穏やかなうちに同居するかホームに入居してもらい、そこの環境にある程度慣れておくことが重要と考えます。

そうすれば、仮に認知症が進んでも、帰宅願望は軽くなっていくと思います。

まとめ

認知症と帰宅願望についてお話してきました。認知症の方にとっては、僕たちが想像できないほど周りが怖く見えたり、不安を感じたりするそうです。認知症の症状を悪化させないためにも、認知症の症状が酷くなる前に対策をとることが大切です。